2010年5月16日日曜日

5月学習会:出前講座報告(要旨)

日時:2010年5月14日(金)午後6時~9時15分
講師:中道誠さん(国分寺市教育委員会ふるさと文化財課学芸員)
演題:ここまでわかった武蔵国分寺
出席者:15名
配布資料:
①A4判・目次「ここまでわかった武蔵国分寺」―近年の史跡整備に伴う発掘調査を中心として―とA3判8枚
②武蔵国分寺年表(武蔵国分寺資料館解説シートNo.3)
③国指定史跡武蔵国分寺跡のパンフレット
④出前講座アンケート用紙

・中道さんが、出来るだけの資料を用意しますと話していただけに、資料作りにも映像作成にもたくさんの時間を要したことが解る講話でした。

・調査のあゆみから講話は始まり、映像と伴に遺蹟の概要(僧寺)、南門跡の調査、中門跡周辺の調査、5分間の休憩後、講堂跡の調査、塔跡の調査、塔跡1の調査、塔跡2と続きました。どの資料にも、調査成果と図面が添えられてあり、映像を見ながらの丁寧な解説を頂きました。

・講話後の質問では、「今は低く見えるが、塔1の基壇の高さは?」「金堂と講堂との平面積は同じというが、礎石の大きさがかなり違う。屋根は重層ではなかったか?」、「中門の発掘調査現場見学会で、隣り合わせた人に言ったことだが、当時は、中門から橋を渡って金堂へ誰でもが入ることができたわけではないのでは?」、「版築について、土はどこからとったのか。粘土化するには、通常石灰とニガリを入れて突き固めるのが基本だが、当時石灰は使ったのか?」、「武蔵国分寺建立に必要な大量の瓦の土はどこから?」、「南門跡は中軸線上よりかなり斜めなのが不思議だが?」、「七重塔の位置、塔1と塔2の関係と向き、真姿の池との関係は?」、「武蔵国分寺以外の国分寺で、武蔵国分寺よりもっと進んだ工人集団があったと考えられるか?」、「塔では相輪部の水煙が大事と聞いているが?」などの質問がありました。

・平成元年に初版が出版された『見学ガイド 武蔵国分寺のはなし』の改訂版が出来ました(定価400円)。武蔵国分寺のはなしがコンパクトに纏っています。
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史跡の発掘調査が終了し、歴史公園の復元整備が完了して武蔵国分寺の全容が今に蘇る日が本当に来るのでしょうか。知らなかったこと、分らなかったことが分る楽しみは、喜びだとつくづく思いました。歴史はロマンですね。
配布資料の残部が7部あります。ご希望の方は事務局までご連絡ください。