日時:2010年3月14日(日)14:15~17:00
会場:国分寺労政会館 第3 会議室 (3階)
第一部:基調講演 14:15~15:35
講師:神谷博さん(一級建築士、法政大学講師、当会会長)
演題:湧水・地下水保全に取り組む市民活動の歴史
・パワーポイントによる映像「野川の湧水と市民活動」を見ながら、湧水・地下水保全に取り組む市民活動の実例とその歴史を学ぶ。
・1970年代は湧水保全の始まり。
1970年代は、開発と対立の時代で、湧水がある限り、野川の再生は可能だろうと、1972年「野川を清流に」「水辺の空間を市民の手に」「水系の思想」をスローガンに三多摩問題研究所が小金井で始めた野川の湧水保全市民運動が始まり。1973年には、国分寺市で殿ヶ谷戸庭園買い上げ運動があり、1974年には子供たちが川で遊びたいと言い出しことがきっかけで、小金井市でのわんぱく夏まつりが始まる。1975年には小金井市滄浪泉園保全運動があり、1975年には地盤凝固剤事件に因る小金井の仙川分水路反対運動がある。
・1980年代は湧水保全の施策化の時代。
1982年には湧水対策調査、1985年には湧水実態調査が施策化される。1987年には個別住宅における雨水浸透の手引きができ、『都市に泉を』がNHK出版から出版され、東京都が湧水モニタリングを開始する。1988年には東急浄化財団の助成金を受け水みち調査を開始。地下水実態調査も1988年に開始される。
・1990年代はパートナーシップの時代。
1992年多摩らいふ21湧水崖線研究会。1992年東京都助成事業で国分寺市に雨水浸透桝。1993年主に多摩らいふ21の人々が集い「みずとみどり研究会」を発足。会長に小倉紀夫先生。三つの原則(1.自由な発言 2.徹底した論議 3.合意の形成)・七つのルールが生まれる。1994年地下水ガイドライン。1998年国分寺市姿見の池復元。1999年三鷹市丸池の復活。
・2000年代は再生の時代。
2000年野川流域連絡発足。2002年湧水等の保護と回復に関する指針。2002年東京の名湧水57選。2004年国分寺市まちづくり条例。2005年世田谷崖線保全等4条例。2005年小金井市地下水及び湧水を保全する条例。2005年東久留米市の湧水等の保護と回復に関する条例。2005年鹿児島県始良郡に湧水町の誕生。2005年環境省湧水実態調査。2006年環境省湧水ポータルサイト立ち上げ。2006年日野市清流保全条例改正。2006年板橋区地下水及び湧水を保全する条例。2003年第1回湧水保全フォーラムを国分寺で開催。2004年第2回湧水保全フォーラムを白子川で開催。2010年の今年は、湧水保全フォーラム全国大会を東久留米で開催予定。因みに国分寺市は地下水・湧水等保全条例を本年11月に策定予定。2000年代は、新たな開発と保全施策が定着する時代から広域連携の時代へと移行していくのではないか。
・野川流域連絡会は発足10周年を記念し、内部・外部評価を得ようと昨年9月「第2回いい川・いい川づくりワークショップ」へ初参加し、グランプリを受賞した。野川は自然の川ではなく、まもり育てられてきた川。手摺のない川、朝霧のたつ奇跡の川・野川は素晴らしい水辺空間である。水系の思想・湧水保全・市民科学を軸に37年に及ぶ野川の市民活動、「野川ルール」と言う相互作用を生むゆるやかなルールづくり、野川のあるべき法定流量をなっとく流量とした点等が評価された。パネルに貼った鍔山英次さん撮影の野川の写真、野川の朝霧の写真は、審査委員がセザンヌの風景画以上と評した。
・「むかしの井戸」の水質検査項目と記録についての質問→むかしの井戸はあくまで防災井戸である。いざという時に使いこなせる方がベターだから、水質を調べる目的は何かを考えるべき。継続したデータを蓄積しているだけでも国分寺市は大したもの。むかしの井戸のデータだけで、国分寺市の水みちすべての把握はできない。
第二部:2009年度(2009年1月1日~12月31日)総会 15:45~17:00
議題1. 議長選出。
議題2. 2009年度活動報告 事務局
・定例学習会6回(2/13、5/14、6/12、9/18、12/11)
・公開講座4回(3/15、7/12、10/18、11/15)
・フィールドワーク1回(1/8)
・拡大幹事会8回(4/10、5/10、6/12、8/4、8/14、9/15、10/9、12/11)
・パネル出展での参加3回(1/24、2/7、11/14~11/15)
・真姿の池湧水観測活動(原則毎日観測調査担当:畑中)
・野川流域連絡会への参加(神谷、田邊)
・議題Ⅱの2009年度の活動報告は全員一致で承認された。
議題3. 2009年度会計報告 会計担当
・2009年度会計収支報告
・野川流域連絡会の推薦により、東京都公園協会から受けている河川清掃等
ボランティア団体助成金(年間3万円)の会計年度の説明
1年目:平成19年4月1月~平成20年3月31日
2年目:平成20年4月1日~平成21年3月31日
3年目:平成21年4月1日~平成22年3月31日
・絵葉書事業2009年度収支報告:前期の在庫242枚はすべて売上げられ、今期の在庫は0枚となった。
・絵葉書事業2009年度剰余金合計22,379円の内、2万円を国分寺市緑と水と公園整備基金へ寄付し、残金2,379円は本会計へ繰り入れる。
・会計監査より、監査結果は適正であったとの報告を受け、議題Ⅲの2009年度会計収支報告書、絵葉書事業2009年度収支報告書は全員一致で承認された。
議題4. 2010年度活動計画(案)
・村山先生の今までのご講話の続きをお聴きしたい。先生のお住まいに近い三田の会場を考えることにする。
・水と歴史をテーマとし、年2回程度の公開講座を開催したい。東京農工大の川端良子先生を講師に7月頃公開講座を開催予定。
・椚國男先生を講師としての公開講座も今年中に開催したい。
・今年も国分寺市職員の出前講座を考えたい。
・松本浩男さんを講師に、学習会を考えたい。テーマは「須惠器と土師器」。
・フィールドワークの第一弾として、6月頃に松本浩男さん企画の「下総国分寺と国府を歩く」を実施予定。
議題5. 役員選出 ●会則第6条により、役員の任期は1年です。