2015年11月2日月曜日

シンポジウム・国分寺市東山道遺跡発掘20周年 東山道武蔵路調査の最前線―多摩郡から入間郡まで―

(2015.12.5)
定員80名
満席となりました。受付を終了いたします。(12/5)


国分寺・名水と歴史的景観を守る会の公開講座も、今回で第10回目となりました。今年は、国分寺市内の東山道発掘20周年となりますので、この節目に、府中市から坂戸市までの東山道武蔵路の最新の調査状況を展望するシンポジウムを開催することになりました。

ご参加をお待ちしております。

■シンポジウム・国分寺市東山道遺跡発掘20周年
東山道武蔵路調査の最前線―多摩郡から入間郡まで―

1995年、東京都国分寺市内で古代の道路跡が約340mにわたり発掘されました。古代道路そのものは各地で発掘されておりますが、これほどの長さを一度に調査したことは他に例がなく、この国分寺市内の東山道武蔵路遺跡(泉町地区)は全国的にも貴重な道路遺跡として注目を集めています。そしてこの遺跡の保存に大きく貢献したのが市民の活動でした。

発掘により道路遺構の全容が明らかになるとともにその重要性が認識され、開発によって消滅の危機にあることから、市民団体、学術団体などが積極的な保存運動を展開。これにより都市計画が変更されて貴重な遺構は残されることになり、東京都の史跡を経て、国指定史跡となりました。東山道について関心が高まりつつある現在、貴重な遺構を守り抜いた先輩たちの業績を振り返り、その上に立って、多摩郡から入間郡までの東山道武蔵路の最新の調査状況を展望する画期的なシンポジウムを開催します。

■日時:20151212() 14001800(開場1330

■会場:国分寺Lホール(Aホール) 国分寺駅ビル8階 

■会費:500円(資料代)

■定員:80名(申し込み先着順 必ず申し込みをしてください)


シンポジウムの概要

第一部 市民によって守られた東山道遺跡(泉町地区)340メートル      
1.東山道を保存する会の活動 報告:国分寺・名水と歴史的景観を守る会
2東山道遺跡の保存に貢献した方々を偲んで 報告:小田静夫(考古学者)              

第二部 シンポジウム 東山道武蔵路調査の最前線―多摩郡から入間郡まで―        
基調報告・コーディネーター:酒井清治(駒澤大学教授)          
報 告         
●武蔵国府における東山道武蔵路について 野田憲一郎(府中市文化スポーツ部ふるさと文化財課
●武蔵国分寺周辺の東山道武蔵路     増井有真(国分寺市教育委員会ふるさと文化財課)
●所沢市東の上遺跡における東山道武蔵路 根本 靖(所沢市立埋蔵文化財調査センター)
●坂戸市における東山道武蔵路の発掘調査 藤野一之(坂戸市立歴史民俗資料館)   

※シンポジウム開催に先立ち、当日の午前中、現地見学会を行います(参加者20名まで)
西国分寺駅改札10時―東山道武蔵路遺跡―武蔵国分寺跡資料館―お鷹の道―不動橋―国分寺駅前12時半

■参加申し込み方法 (必ず事前に申し込みをしてください)              

112日(月)から受付開始。電子メールで125日(土)までに、お名前、ご住所、電話番号、人数をお知らせ下さい。定員に達し次第締め切ります。

◆電子メール:meisui.keikan@gmail.com 

※閉会後同じ会場で希望者による懇親会を予定しています。懇親会費:3,000円 

懇親会、現地見学会への参加希望は、その旨明記してください。

主催:国分寺・名水と歴史的景観を守る会  後援:国分寺市 国分寺市教育委員会
 
 

2013年10月9日水曜日

第9回公開講座「旧石器時代の日本列島―野川流域から日本人類史の起源を考える―」のご案内

定員に達しました。お申込み、ありがとうございました。


「国分寺・名水と歴史的景観を守る会」の公開講座のご案内です。
今回で第9回となり、明治大学文学部教授の安蒜政雄先生をお招きいたします。

国分寺を水源地とする野川は遺跡銀座といわれるほど遺跡の多いところです。
なかでも野川遺跡に代表される旧石器時代の遺跡群は日本の旧石器時代研究に大きな影響を与えたことで有名です。そこで今回旧石器時代研究で知られる安蒜政雄先生に野川流域の遺跡群に焦点をあて日本人類史の起源をたどってお話頂きます。

会員以外の方もご参加いただけます。

■ 参加申し込み(必ず事前申し込みをしてください)     

下記の方法で115日までにお名前、ご住所、電話番号、人数をお知らせ下さい。
●電子メール:meisui.keikan@gmail.com  

※定員オーバーの場合のみ、ご連絡いたします。(定員:80名)

 
定員に達しました。お申込み、ありがとうございました。

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国分寺・名水と歴史的景観を守る会第9回公開講座
「旧石器時代の日本列島野川流域から日本人類史の起源を考える

講師:安蒜政雄氏(明治大学文学部教授)
日時:2013年11月10日(日)13301630
会場:東京都国分寺労政会館 第四会議室
会費:500円(資料代込み)会員は無料
定員:80名先着順(要事前申し込み)
主催:国分寺・名水と歴史的景観を守る会
後援:国分寺市・国分寺市教育委員会・小金井市教育委員

 
■ 講師プロフィール                     
1946年、千葉県生まれ。1969、年明治大学文学部卒業。1971年、明治大学大学院修士課程修了。1978年、明治大学大学院博士課程修了。学位請求論文「日本細石器文化の研究」により文学博士。1991年、明治大学文学部教授。1993年、第2回岩宿文化賞受賞。2009年第2回スヤンゲ学術賞受賞。主な著書に、『考古学キーワード(改訂版)』(編著、2002年、有斐閣)、『考古学の最前線』(共著、2003年、学生社)、『住まいの考古学(共著、2007年、学生社)、『旧石器時代の日本列島史』(2010年、学生社)、『日本列島 石器時代史への挑戦』(勅使河原彰氏と共著、2011年、新日本出版社)、『旧石器時代人の知恵』(2013年、新日本出版社)

■ 講座概要                             
 旧石器時代の日本列島には、新旧二度にわたって大挙、ヒトが移り住んできた。旧移住は、アフリカに生誕した現生人類が世界各地へと拡散した波の一つで、ここから日本列島の人類史が始まる。その旧移住民は、本州の中央部に、沢山の遺跡を残した。野川の流域に当たる場所は古多摩川の河床で、点在する中州の所々にヒトが住んだ。今からおよそ三万五千年前に遡る、後期旧石器時代初頭の出来事である。

 旧移住よりも大規模で、後期旧石器時代中頃の二万五千年前に前後する新移住は、背景に、最終氷期の最寒冷期を迎える世界的な気候の変動があった。出現した陸橋伝いに環日本海旧石器文化回廊が開かれ、大陸と日本列島間のヒトとモノの動きが盛んになる。この頃、国分寺崖線下を野川が流れ、川沿いに数多くの遺跡が群集した。

 このように、野川の流域一帯には、旧石器時代の歴史動向が色濃く投影されている。そればかりか、野川流域遺跡群の一つ野川遺跡は、同遺跡の発掘前後で、旧石器時代の研究史を二分する大きな役割を演じた。そこで、野川遺跡と野川流域遺跡群をとおして、旧石器時代研究の歩みを振り返るとともに、日本人類史の起源をたどる。


2012年10月24日水曜日

国分寺・名水と歴史的景観を守る会主催 歴史講座「武蔵国分寺の構造と景観~詔に見える好処の実態について~」のご案内

「国分寺・名水と歴史的景観を守る会」は、国分寺市が職員を講師として派遣する「出前講座」の制度を利用し、11月9日(金)、国分寺市教育委員会教育部ふるさと文化財課歴史のまち国分寺づくり特命担当係長の有吉重蔵さんを講師としてお迎えし、歴史講座を開催いたします。

会員以外の方もご参加いただけます。
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出前講座のご案内
武蔵国分寺の構造と景観~詔に見える好処の実態について~

国分寺建立の詔には「それ造塔の寺は兼ねて国の華たり。必ず好処を択んで実に長久にすべし。」とあり、国分寺は国華にふさわしい好処に建立することが命じられています。

発掘調査が継続されている武蔵国分寺跡では、近年寺周辺の東山道武蔵路や参道口、あるいは僧寺の二つ目の塔の発見など、これまでの武蔵国分寺像の見直しを迫る新たな調査成果が蓄積されつつあり、改めて武蔵国分寺の構造と景観を通して好処の実態について考えてみましょう。

日時:2012年11月9日(金) 18:00~20:00

会場:国分寺労政会館三階 第3会議室 

(JR中央線国分寺駅南口下車徒歩5分) 

講師:有吉重蔵さん
国分寺市教育委員会教育部ふるさと文化財課歴史のまち国分寺づくり特命担当係長
国士舘大学文学部非常勤講師(考古学)


講師プロフィール
1950年 福岡県生まれ。
1973年 国士舘大学文学部国史専攻(考古学コース)卒業。
1973年 国分寺市役所職員に採用。以降、国指定史跡武蔵国分寺跡の発掘調査に従事。
2001年 ふるさと文化財課長就任(国分寺市遺跡調査会事務局長兼務)。
併せて国士舘大学文学部非常勤講師(考古学)を兼任(現在も継続中)。
2002年 国分寺市市民生活経済課長兼農業委員会事務局長就任。
2004年 国指定史跡佐渡国分寺跡調査検討委員会委員に就任(2006年3月まで)。
2006年 市民生活部長に就任。
2010年 国分寺市役所を定年退職。
2011年 国分寺市教育委員会教育部ふるさと文化財課歴史のまち国分寺づくり特命担当係長 

主な著書
1986年「遺瓦から見た武蔵国分寺」・「国分寺市域における中世遺跡」、『国分寺市史』上巻 
1988年「武蔵国分寺の創建」、『古代寺院と仏教』古代史論集3名著出版
1995年「武蔵国分寺の創建期瓦窯」、『王朝の考古学』雄山閣出版 
1998年「武蔵国分寺」、『聖武天皇と国分寺』雄山閣出版 
2000年「武蔵国分寺・武蔵国府」、『文字瓦と考古学』国士舘大学実行委員会

参加費:無料

定員:50名(先着順)

参加申し込み(事前申し込みをお願いします)
・電子メール:meisui.keikan@gmail.com   
※住所、氏名、電話番号をお知らせください。 
※定員オーバーの場合のみ、ご連絡いたします。

主催:国分寺・名水と歴史的景観を守る会



2012 11.9国分寺市職員の出前講座チラシWEB版.doc



2012年8月16日木曜日

第8回公開講座「縄文文化に見る東西日本の地域差~湧水が歴史に果たした役割~」(講師:勅使河原彰氏)のご案内

勅使河原先生公開講座チラシ画像縮小版.JPG

鮮明なワード版:勅使河原先生公開講座チラシWEB.doc


「国分寺・名水と歴史的景観を守る会」では、会員のみならず一般の方からも参加をつのる「全国国分寺巡り」をこれまでに4回主催、このほか、2005年から年に1~2度、公開講座も開催しています。

今回は第8回目となり、テーマは縄文文化について。
私たちにとって身近な野川沿いの国分寺崖線上にも、たくさんの縄文遺跡があります。
事前の打ち合わせで、講師の勅使河原彰先生(考古学)から、

あの芸術的造形の縄文土器を、縄文人は日常の道具として使っていた!
東日本は縄文文化の先進地帯!
縄文人が年中涸れない湧水のそばを選んで居住したのは“定住”の証!

など、予告的なお話をうかがい、興味津々です。
魅力いっぱい、謎の尽きない縄文を、勅使河原(てしがわら)先生と一緒に紐解きましょう!
質問・懇談タイム、たっぷり取ります。

公開講座ですからどなたでも参加できます。
ふるってご参加ください!
事前に申し込みが必要ですので、下記をお読みください。

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国分寺・名水と歴史的景観を守る会 第8回公開講座
縄文文化に見る東西日本の地域差~湧水が歴史に果たした役割~講師:勅使河原(てしがわら) 彰(あきら)氏(考古学者)
日時:2012年9月16日(日)14:00~17:00
会場:国分寺市立本多公民館ホール
  地図:
http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/shisetsu/shi/003022.html
  国分寺市本多1-7-1 042-321-0085 
  JR国分寺駅北口下車徒歩8分(3つ目の信号右折)
  ※駐車場が狭いので、車でのご来場はお避けください
会費:500円(資料代込み)
定員:60名先着順(要申し込み)
主催:国分寺・名水と歴史的景観を守る会 

◆講師プロフィール◆
1946年、東京都生まれ。1975年、明治大学文学部卒業。専攻は日本考古学(主に縄文時代)。在学中は戸沢充則氏に学ぶ。現在、文化財保存全国協議会常任委員。主な著書に、『歴史教科書は古代をどう描いてきたか』(2005年、新日本出版社)、『縄文文化』(1998年、新日本出版社)、『日本考古学の歩み』(1995年、名著出版)、『日本考古学史―年表と解説』(1988年、東京大学出版会)など。主な共著に、『日本列島石器時代史への挑戦』(2011年、新日本出版社 安蒜政雄氏と共著)。2001年、第2回尖石縄文文化賞を受賞。 

◆講座概要◆
 縄文の時代の日本列島では、東日本と西日本とでは遺跡の分布と集落の規模については大きな差があった。そのような東西日本の地域差はどのようにして生じたのであろうか?東日本には台地が広く発達し、丘陵地も多く、広大な裾野が形成され、豊富な湧き水がある。総じて東日本は縄文人が集落を営むのに好適な場所が多い。一方、西日本では河岸段丘や丘陵の発達があまりみられず、ほとんどの地域で平坦地と湧水にめぐまれていないことから、縄文人が集落を営むのは、かなり限定的とならざるをえない。野川にも見られるように、縄文文化における湧水や川の果たした役割をさぐる。

◆参加申し込み◆
(必ず事前申込みをしてください)
電子メールにて9月13日(木)までに、
お名前、ご住所、電話番号、人数をお知らせ下さい。
●電子メール:meisui.keikan@gmail.com

閉会後、同じ会場で希望者による懇親会をいたします。
懇親会費:2,000円
参加希望者は、申し込みの際、その旨をお知らせください。
会員以外の方も懇親会にご参加いただけます。

国分寺・名水と歴史的景観を守る会のブログ:
http://meisui-keikan.blogspot.jp/

2011年10月21日金曜日

名水の会歴史講座「武蔵国分寺跡を訪れた大田南畝と水野忠邦」(2011.12.9)

国分寺・名水と歴史的景観を守る会歴史講座(ふるさと文化財課出前講座)
武蔵国分寺跡を訪れた大田南畝と水野忠邦

日時:2011年12月9日(金)午後2時30分~午後4時30分
講師:太田和子さん(国分寺市教育委員会ふるさと文化財課係長)
会場:国分寺労政会館 3階 第3会議室(定員70名)
参加費:無料
主催:国分寺・名水と歴史的景観を守る会

参加申込み・お問い合わせ
参加申し込みは下記まで、電子メールにてお願いします。(12/6までに)
電子メール:meisui.keikan@gmail.com
会員以外の方もご参加いただけます。

国分寺労政会館地図:
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sosiki/roseikaikan/kokubunji.html
JR中央線国分寺駅南口徒歩5分
国分寺市南町3-22-10
電話:042-323-8515

名水の会国分寺めぐり 〔バス旅行〕上総国分寺・国府跡と上総の古墳を歩く

〔バス旅行〕上総国分寺・国府跡と上総の古墳を歩く
主催 国分寺・名水と歴史的景観を守る会

 天平13年、聖武天皇は「全国に国分寺を建立せよ」との詔を出しましたが、そのなかで「必ず好所を択んで建てよ」とあります。各地の国分寺は本当に好処にたてられたのか、それぞれの国分寺がどのような場所につくられたのか、それを検証しようということで、私たちは諸国国分寺めぐりを企画しました。その第1弾として昨年6月、「下総国分寺と古代の市川を歩く」を市川考古博物館の山路直充先生、第2弾として12月に「下野国分寺・国庁跡と古代の下野を歩く」を国学院栃木短大の酒寄雅史先生のご案内で行いました。
そしてその第3弾として今回、市原市埋蔵文化センター所長の田所真先生のご案内で全国でも規模の大きい上総国分僧寺跡、尼寺の遺構としてはもっとも保存状態の良い国分尼寺跡、パノラマ式に遺跡をみることの出来る尼寺展示館等の他、有名な王賜銘鉄剣の出土した稲荷台1号墳、卑弥呼と同じ時代、東日本最古の前方後円墳の神門5号墳、さらに木更津に移り金鈴塚古墳から出土した金の鈴5個をはじめとする大量の遺物を展示している「木更津市立郷土博物館金のすず」を見て帰ります。
滅多にない機会ですので是非ご参加ください。
                              
●予定コース
①上総国分僧寺跡→②神門5号墳→③市川市役所屋上→④上総国分尼寺跡・同展示館→ ⑤稲荷台1号墳記念公園→⑥上総国府跡推定地→⑦市原市埋蔵文化財センター→⑧木更津郷土博物館金のすず
●同行・解説 田所真先生(市原市埋蔵文化財調査センター長)
●日時 11月30日(水曜日) 
6時50分 国分寺駅南口駅前集合 7時出発
8時JR 新宿スバルビル前集合(新宿駅西口、安田生命ビル近く)
8時10分出発。どちらでも自由です。
帰りは新宿駅経由国分寺駅前で解散。(詳しい地図は参加者に別途連絡) 
●雨天決行 雨具、昼食各自持参
●会費 5000円
●定員26名(先着順) 
●申し込み方法
氏名・住所・電話番号(あれば携帯の)・集合場所希望明記のうえ
hiroo@gk9.so-net.ne.jp または meisui.keikan@gmail.com

2011年8月3日水曜日

第7回公開講座 「古墳時代の技術革新-考古学人生50年記念講演-」

3.11東日本大震災以来、名水の会は活動を休止しておりましたが、6月に総会を開催し、活動再開しました。
9月は、名水の会7回目の公開講座を開催します。
参加申し込みが必要です。
8月30日(火)までに電子メールにて、お名前、ご住所、電話番号、人数をお知らせ下さい。
●電子メール:meisui.keikan@gmail.com

古墳時代の技術革新-考古学人生50年記念講演-

講師:椚 國男氏(多摩考古学研究会世話人)
日時:2011年9月4日(日)14:00~17:00
会場:国分寺市立本多公民館ホール(裏面に地図)
会費:500円(資料代込み)
定員:60名先着順(要申し込み)
主催:国分寺・名水と歴史的景観を守る会 

◆前方後円墳の設計をめぐる椚説の概要◆
 椚さんは1960年代に6世紀頃の竪穴住居を発掘した際、四つの柱穴の正確な位置などから設計の存在を感じ、「竪穴住居の設計計画」を『考古学雑誌』に発表しました。
その翌年、民衆の住居に設計がある以上支配階級の建造物や築造物にもあるのではないかと考えて前方後円墳の設計研究に入り、多くの古墳の実測図を調べて方眼を使って設計し、3種類の設計型に大別できることなどの説に達し、それを1975年に『古墳の設計』(築地書館刊)にまとめました。
 さらに氏はその後約1700基の前方後円墳を調べて古墳時代の全国的状況を概観し、つづいて後円部側が正円でない出現期の纏向型前方後円墳の研究に入りました。そして、纏向型が日本列島のほぼ全域に分布していること、「方眼設計法」が中国漢代の「方格法」であったことに気づきました。
 方格=方眼は拡大相似形と縮小相似形を作図する媒体で地上に大きな方格をつくって測り縮小すると地図になり、小さな方格に設計図を書くと巨大な相似形物を地上につくることができることをその後の著書に書いています。そして方格法は2世紀の後半か3世紀の初めに渡来し、前方後円墳・前方後方墳・双方中円墳などの複合形古墳が出現したのもそのためであるとし、わが国古代の技術革新であったととらえています。
 前方後円墳の設計・企画論は10説以上ありますが、椚説は後円部を基にしない唯一の説であり、この技法や技術が弥生時代を古墳時代に変えた大きな原因であると主張しています。

 椚さんは考古学の世界にはいられてから今年で50年を迎えられました。今回それを記念して長年にわたる研究成果をもとに古墳時代の技術革新について語って頂きます。

■参加申し込み(必ず事前申し込みをしてください)
8月30日(火)までに電子メールにて、お名前、ご住所、電話番号、人数をお知らせ下さい。

閉会後同じ会場で希望者による懇親会を予定。懇親会費:2,000円
参加希望者はその旨明記を。
●電子メール:meisui.keikan@gmail.com

■椚國男さんプロフィール
1926年 東京都八王子市に生まれる
1939年 府立織染学校色染化学科に入学
1944年 商工省東京工業試験所に入所
1945年 五月入隊が九月に延びて、八月敗戦
1946年 春陽会展に「極楽寺境内の梅」入選
1949年 八王子市立第五中学校図工科教諭になる
1950年 明治大学文学部地歴科地理(二部)卒業 同期に大塚初重さん
1952年 都立八王子工業高校定時制社会科教諭になる
1961年 全日制勤務に移る。生徒の要望で考古学部をつくる
1976年 『古墳の設計』と文化財保護運動で第一回藤森栄一賞を受ける
1978年 勤務校の『百年史』の編集を終えて定年退職
1985年 稲城市史編集委員になる(弥生・古墳)
1990年 多摩考古学研究会世話人代表になる
2006年 「国史跡八王子城とオオタカを守る会」が第七回和島誠一団体賞を受賞

現在 多摩考古学研究会世話人、日本考古学協会会員、
ふだん記「八王子・雲の碑」グループ、「高尾山天狗裁判」原告団幹事、
国史跡八王子城とオオタカを守る会(前代表)

主な著書
『古墳の設計』(築地書館)
『古代の土木設計』(六興出版)
『戦国の終わりを告げた城―八王子城』(六興出版)
『方格法の渡来と複合形古墳の出現』(築地書館)
『土の巨人―考古学を拓いた人たち―』(たましん地域文化財団)他 

2011年1月3日月曜日

1月定例学習会~鎮護国家の大伽藍武蔵国分寺の全貌

国分寺・名水と歴史的景観を守る会2011年1月定例学習会のご案内です。

2011年新年初の定例学習会は、国分寺市教育委員会教育部ふるさと文化財課の福田信夫課長に下記の通り出前講座をお願いいたしました。
全国でも有数の規模を誇る武蔵国分寺、数十年にわたってその発掘と研究に従事し、深い見識を有する福田信夫課長が発掘エピソードとその成果を語ります。
ご興味をお持ちのご友人をお誘いのうえ、皆さま是非ご参加ください。

会員以外の方も参加できます。
お問い合わせ、参加申し込みはメールにて:
meisui.keikan@gmail.com
     

●日時:2011年1月15日(土)午後6時~8時

●会場:国分寺市本町・南町地域センター 集会室・学習室
国分寺市南町3-21-1   Tel.042-326-1700
JR中央線国分寺駅南口下車徒歩3分 駅ビル駐車場隣り

●講師:福田信夫さん(国分寺市教育委員会ふるさと文化財課課長)

●演題:鎮護国家の大伽藍武蔵国分寺の全貌
―半生をかけた発掘(参加)からわかったこと―

●参加費:無料